夙川散歩

季節を感じてリズムを感じて

どうして親知らずは生えてこないのか?

徳島大学の解剖学の教授と話をする機会がありました。彼の専門は、歯の根がどう作られて成長するかということです。歯が生えてくる為には、根が正確な形に作られて長く伸びる必要があります。話が親知らずに及んだ時、現代人は親知らずは退化して来ているという言い方はおかしいという話になりました。 進化には、何千、何万世代と交代することが必要で、たかだか十世代ぐらいで遺伝子が変化するはずがないと彼はいうのです。確かに頷ける話です。それでは、どうして親知らずが生えてこないのでしょうか? 彼は続けます。それは廃用ではないかと。歯が生えてくる、つまり根が形成されるためにはスペースが必要で、堅い物を食べ、それに対応する為に骨の長さが増してこないといけない。だが現代ではその必要がないので、遺伝的に決まっているのではないのだが、成長の過程での刺激がないから結果的に生えてこないのだと。非常に良く分かる、また歯列(歯の並び、アーチ)が出来るのに何が関係しているのか?と示唆に富んだ話でした。

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